2016/3/26・27、北海道新幹線とフェニックス田原町ラインに早速乗ってみた【新線開業ルポ】

2016年3月26日。ついに、新幹線が津軽海峡を越えました。昨年に引き続き、初物好きな社員たちは見逃さずに乗りに行きます。 今回は北海道新幹線(社員:H)と、翌日に開業した「フェニックス田原町ライン(福井鉄道・えちぜん鉄道相互直通運転)」(社員:Y)の一番列車をレポートします。 昨年開業したばかりの、仙台地下鉄東西線、JR仙石東北ラインの乗車記もあわせてどうぞ。

3月25日。旅はいつも前日から。

社員Hが北海道新幹線の担当。さかのぼること2月26日。残念ながら北海道新幹線の一番列車のきっぷは入手できませんでした。でも、執念を見せ、新青森発新函館北斗行の「はやて91号」のチケットをキャンセル待ちで入手。戦いは、1ヶ月前から始まっているのです。
ちなみに、昨年の北陸新幹線の一番列車も彼が乗車しています。

そんなわけで、いざ新青森駅へ。の、前に、仙台に立ち寄ります。

新線その1:仙台地下鉄東西線にご挨拶

2015年12月6日に開業したばかりの、最も新しい地下鉄路線。仙台市で2路線目となります。八木山動物公園駅~仙台駅~荒井駅の約14kmを運行中。
都営大江戸線や横浜市営地下鉄グリーンラインなどと同じシステムなので、車両はやや小ぶり。
ちなみに、八木山動物公園駅は「日本一高い場所にある地下鉄の駅(標高136.4m)」。ちょっと変わった記録ですね。

新線その2:JR仙石東北ラインで石巻へ

もうひとつ、2015年5月30日に開業したのがこの路線。既存のJR東北本線とJR仙石線を直通するために、接続線を設置しました。ここを通る路線の愛称が「仙石東北ライン」なのです。

東北本線も仙石線も電化された路線なのですが、使用する列車はディーゼルカー。実はこの2路線は電気の規格が異なるため、既存の車両では直通ができません。かといって、相互に通行可能な電車を製造すると高価になってしまいます。で、電気を必要としない車両を造りました。
この車両の特徴は「ハイブリッド」。自動車でもお馴染みの技術ですね。ブレーキのときに発電して、加速するときに電気の力を使います。鉄道でもエコへの取り組みがあるんですよ。

さて、いよいよ新線区間に突入。ただし、新しい区間は極わずか。東北本線と仙石線が並走する区間に渡り線ができただけ。それでも、新しい路線ができたら乗らないわけには行かないんです。

新線その3:3/26。いよいよ新青森からメインイベントが始まる。

ついにこの日が来ました。青函トンネルを経由して、「新幹線」で函館へ。北海道新幹線の開業区間の一番列車「はやて91号」に乗り込みます。新函館北斗駅からも東京行きのはやぶさ10号が走りますが、はやてのほうが出発時間は3分早い6:32。やっぱりなんでも一番がいいでしょ。

去年は東京駅から北陸新幹線に乗ったので、駅も車内も満員でしたが、それよりは落ち着いているかな。まぁ、東京からわざわざ新青森まで来るのも大変ではありますが…。
走り始めて程なく車掌のアナウンスが。青函トンネル開業から28年。ついに北の大地に新幹線が行きます。これからも末永く利用してほしい。という愛情のあるメッセージが流れました。

新青森駅を出発して10分強。JR北海道単独で営業している駅で唯一、青森県にある駅「奥津軽いまべつ」に到着。出発してまもなく、青函トンネルです。

トンネルは53.8km。もともと新幹線が通れる規格で作られていたので、既存のトンネルを掘りなおすことなく、線路の幅と電圧を変えることで通ることができるようになりました。ついこの間まで在来線が走っていたところに新幹線で通る…。何か不思議な気分です。

次は北海道の「木古内」。今日からは奥津軽いまべつ駅~木古内駅間が新幹線の駅間最長距離(76.8km)です。37分かけて走ります。

トンネルを抜ければ…そこは北海道。

長い、とても長い青函トンネル。抜けた場所は知内町。沿線では多くの方に出迎えてもらえました。本当に、新幹線で北海道まで来ちゃった…。

最初の停車駅、木古内駅でも、ホームから旗を振って歓迎。この駅からは歴史上初めて東京駅に直通する列車が誕生しました。
(以前は寝台特急も通ってはいましたが、通過でしたし、上野駅止まりでした)

そして、目的地の新函館北斗駅に到着。本格的な歓迎イベントは、このあと東京駅から来るはやぶさ45号で行なわれました。でも、いいんです。北海道新幹線の一番列車はなんと言っても「はやて91号」ですから。

函館駅へは「はこだてライナー」で。

新函館北斗駅の所在地は北斗市。函館の中心街へは接続列車に乗り継ぎます。それが「はこだてライナー」。新函館北斗駅~函館駅を運行します。乗車券のみで利用可能。
乗り継ぎも配慮された設計で、北海道新幹線(11番ホーム)とはこだてライナー(1番ホーム)は階段を利用することなく行くことができる、はずなのですが、新函館北斗駅に到着するほとんどの列車は12番ホームになるので階段を使った乗り換えに(新函館北斗駅出発の列車は11番ホームがほとんど)。うーん、なんか残念。

そもそも北海道新幹線が函館駅を通らないのは、本来の目的地が札幌駅のため。函館駅を経由させると、車両の方向転換などの手間がかかってしまうのです。
少しでも早く函館駅に行けるように、はこだてライナー用の車両を製造。さらにJR函館本線の新函館北斗駅~五稜郭駅まで電化しました(五稜郭駅~函館駅間は青函トンネル開通時から電化済み)。

函館周辺の鉄道を満喫し、帰路に着くのでした。
(宿泊?しませんよ)

新線その4:3月27日。福井県でもう一つの開業に立ち会う。

もう一人の社員Yは福井県にいました。こちらでは福井鉄道とえちぜん鉄道の相互直通運転が始まります。愛称は「フェニックス田原町ライン」。
そして、路面電車の電停の移設という、珍しいイベントも体験してしまおう、と目論んでいました。

開業は3月27日。前日に福井駅前のホテルに宿泊して、そのときを待ちます。開業前夜の状況はこんな感じ。まずは移設前の福井鉄道の福井駅前電停を撮影。

そして、翌日の移設先の新駅、福井駅電停も静かに待っていました。今回の移設は、JRの福井駅の目の前までのりばを移設します。ほんの約100mほどの区間ですが、路面電車の距離が伸びました。

2つの路線を直通する歴史的瞬間に立ち会う

開業当日。朝から福井駅電停の姿を見ようと鉄道ファンや地元メディアが集まっていました。電停の一番列車は7:29発。まずはたった100mだけを堪能するべく、「区間急行 越前武生行」に乗車します。この種別も今日から登場。しかも、1日1本で激レア。
こういうのを狙うのがマニアなんです。

区間急行は次の市役所前電停で下車します。次の列車が福井のメインイベント。えちぜん鉄道に直通する一番列車です。
路面電車ののりばは道路の真ん中にあってちょっと狭いのですが、それでも一番列車目当てに50人ほどが集まりました。

もともと福井鉄道とえちぜん鉄道は田原町駅で乗換が可能でした。
直通電車を走らせるために、田原町駅の改良工事のほか、えちぜん鉄道線内では、路面電車を停車させるための乗り場の新設や、新車の製造など様々な施策が実施されています。

田原町駅をいよいよ出発。ほんの数秒でえちぜん鉄道へ乗り入れました。

普通の電車と路面電車が混在するのはここだけ。

乗り入れの場所を別アングルから。右の線路がえちぜん鉄道。左から進入するのが福井鉄道に直通する線路。その、ポイントが今回の開業区間の全容。この場所のために福井までやってきました。
…後悔はしていません。

一番列車の終点はえちぜん鉄道三国芦原線の福大前西福井駅。田原町駅の次です。ホームは1番線と2番線だけ、ですが、今日からは、乗車する車両によって、低いホームと高いホームどちらも使います。全部で4パターン。
このようなホームの使い分けは、以前は岐阜市内などにもありましたが、路面電車の減少で消滅。久しぶりに福井市内に復活したことになります。

なお、3月27日限定で、福井鉄道とえちぜん鉄道を1日乗り放題の記念乗車券が発売されていました。これも貴重な1品。

新線おまけ:将来の新幹線区間を走る「えちぜん鉄道」。

新線めぐりの締めくくりはえちぜん鉄道の福井口駅~福井駅間。2015年9月27日から、「将来新幹線が通る場所」を走っています。
福井駅周辺は北陸新幹線の延伸工事にあわせて様々な工事が進行しています。えちぜん鉄道も高架化される予定ですが、その過程で、一旦新幹線用に造った場所に移設する必要があったのです。

途中の新福井駅も高架上。今だけ、踏切が存在します。いずれ新幹線が走れば撤去されてしまうので、数年だけ渡れるチャンス。

最後に高架区間を走るえちぜん鉄道の電車を撮影。早ければ2020年には新幹線が通ってしまうので、このようなのどかな光景が見られるのは今のうちだけ。

そんなわけで、社員2名で無事、3月の新線開業を見届けることができました。これはこれで社員たちは楽しんでいるので心配しないでくださいね。電車に乗ることが観光ですから!

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