いよいよ開業迫る!北海道新幹線を10倍楽しめる情報を紹介します

3月26日土曜日、新幹線が北海道までやってきます。新青森~新函館北斗間が開業。函館までの所要時間が53分短縮します(最速列車の比較)。
途中、青森県には「奥津軽いまべつ」、北海道は「木古内」にも停車し、津軽エリアや北海道の南部エリアも東京に近くなります。
コラムでは、北海道新幹線ができる前の列車や青函トンネルの豆知識も紹介。これを読めば長い青函トンネルも趣を感じながら乗車できるはずです。

所要時間/本数:最速4時間29分/東京から毎日10本運転

東京~新函館北斗間の所要時間は下りの「はやぶさ5号」「はやぶさ11号」、上りの「はやぶさ34号」が最速で4時間2分。
函館駅へは「はこだてライナー」に乗り換えて、快速で約15分。乗換時間を含めて、東京~函館は最速で4時間29分となります(下りの5号から快速に乗り換えるパターン)。

東京~新函館北斗~函館の時刻表。臨時列車は運転日にご注意ください。
東京~新函館北斗~函館の時刻表。臨時列車は運転日にご注意ください。

1日の本数は、東京~新函館北斗間では定期列車で10往復。概ね、1~2時間に1本の本数です。新青森~新函館北斗間では仙台、盛岡、新青森の各駅を始発/終着とする列車をあわせて13往復運転されます。
さらに臨時列車が東京~新函館北斗間で3往復運転されます(運転日は開業直後やゴールデンウィークが中心)。

ナビタイムの各サービスでも北海道新幹線とはこだてライナーのダイヤに対応しました。3月26日以降の日付で検索するとご確認いただけます。

東京→函館の検索結果(PC-NAVITIME版)。
東京→函館の検索結果(PC-NAVITIME版)。

ちなみに、新函館北斗駅は函館市ではなく、お隣の「北斗市」に位置します。函館駅に新幹線が来ればいいのに…。と思われる方もいらっしゃると思いますが、北海道新幹線は2030年度をめどに札幌まで延伸する予定のため、距離のロスが少ない場所に駅が設置された経緯があります。

新函館北斗の先は、さらに「北」を目指します。
新函館北斗の先は、さらに「北」を目指します。

運賃・料金:東京~新函館北斗で22,690円(普通車指定席利用の通常期)

東京~新函館北斗の運賃(乗車券のねだん)は11,560円、「はやぶさ」利用時の特急料金11,130円を加算して22,690円になります。
なお、はやぶさ号は指定席のみで、自由席はありません。この価格は指定席利用時、かつ通常期のもので、季節によって200円引き、200円増しとなります。
この他、主な区間の総額は以下のとおりです。

普通車指定席の通常期の総額。ただし、下線の区間は特定特急料金(座席指定なし)で計算。
普通車指定席の通常期の総額。ただし、下線の区間は特定特急料金(座席指定なし)で計算。

はやぶさをはじめとした東北新幹線の各列車に連結されている「グランクラス」。北海道新幹線は臨時列車を含め、すべての列車に連結される予定です。
気になるおねだんは、38,280円。新幹線とはいえ4時間の長旅ですから、移動を楽しみたい方にはおススメかもしれません。ゆったり座れる専用の座席と、フリードリンク、軽食(1回)のサービスがあります。

グランクラス。国内の列車では最高級のシートとサービスを提供。

新幹線を利用して東京駅から函館駅を移動される場合、運賃は11,880円となり、普通車指定席利用時の合計額は23,010円となります。
ですが、乗車券を以下の区間に分割すると、より安くなります。
「東京~五稜郭(新幹線で新函館北斗経由)」と、「五稜郭~函館」の2枚で11,770円。
乗車券は、乗車する区間に空白がなければ分割して購入することが可能です。JRの運賃制度の複雑なマジックで、区間を分割すると110円ほど安くなるのです。
ちなみに3月25日までの運賃も11,880円。ただし、五稜郭駅で分割しても同じことにはならないんです。詳細は省きますが、新幹線で距離が短くなったおかげ、とお考えください。

【3月22~25日】青森~函館間の移動にご注意ください

既存の「青函トンネル」を新幹線が通るようになります。その準備が3月22日から25日まで行われ、青森~函館を運行するすべての旅客列車が運休となります。
この期間に青森~函館を移動する予定の方は、フェリーか飛行機での迂回が必要になります。

運休中は津軽海峡フェリーや青函フェリーなどをご利用ください

コラム(1):東京~函館の時間短縮の歴史

東京~函館の所要時間(最速)をこの約50年で比較しました。
1964年(昭和39年)、東海道新幹線が開業したばかりで、まだ東北新幹線も青函トンネルもありません。青森~函館は連絡船。最速で15時間5分。特急「はつかり」(上野~常磐線経由~青森)と青函連絡船の乗り継ぎでした。

1968年(昭和43年)、東北本線が青森まで全線電化&複線化。大幅なスピードアップが図られ、特急「はつかり」(上野~青森)と青函連絡船の乗り継ぎで12時間40分。
この時代までは、昼過ぎに上野を出発し、函館には翌日の未明に到着するのが最速パターンでした。まさに、1日がかりの移動。

1986年(昭和61年)の国鉄末期には東北新幹線が上野~盛岡で開業しており、新幹線「やまびこ」、特急「はつかり」(盛岡~青森)、青函連絡船の乗り継ぎで9時間10分。午前に出発すれば当日中に着くようになります。

青函連絡船「日高丸」。昭和63年3月まで青森~函館の移動は船だけでした。

1988年(昭和63年)には青函トンネルが開通し、グッと近くなります。東北新幹線「やまびこ」(上野~盛岡)と在来線の特急「はつかり」(盛岡~函館)を乗り継いで6時間59分。わずか30分の滞在時間ですが、函館との日帰りも可能になります。

東北新幹線は東京~上野と盛岡~新青森が順次開通し、2010年(平成22年)には乗換回数は1回、東北新幹線「はやぶさ」(東京~新青森)と在来線特急「スーパー白鳥」(新青森~函館)の乗り継ぎで6時間の壁を突破。現在の5時間22分に至ります。

そして、今回の北海道新幹線開業で4時間29分。半世紀で約10時間半も短縮したことになります。

左が「はつかり」。元は上野~青森、東北新幹線開業後は連絡特急として君臨しました。

実は北海道新幹線は「本気」を出していません。青函トンネルは日本国内初の「新幹線と貨物(在来線)が混在する」区間となり、すれ違う貨物列車に影響がないよう、速度を落として(260km/h→140km/h)の運転となります。
いずれ青函トンネルで本気を出せる環境が整えば、新幹線区間は3時間台に突入することも可能。ちなみに、飛行機利用の場合の所要時間は空港アクセスを含めて約3時間。
はやぶさの所要時間が短くなれば、大宮駅ならもちろん、東京駅からでも新幹線を使うルートが一般的になる日も来るかもしれません。

青函トンネルの青森県側の入口。トンネルを260km/hで走行できるようになるか。

コラム(2):新幹線開業で使命を終える列車たち

新幹線が開業することで、青函トンネルを通り、本州と北海道を結んでいる在来線の旅客列車がすべて廃止となります。
1つめは「白鳥・スーパー白鳥」。2002年の東北新幹線の八戸駅延伸開業のときから運行しています。2010年には新青森~函館に区間が変更、東北新幹線と北海道をつなぐ渡し役でした。新幹線自体が北海道に渡ることで、使命を全うすることになりました。

スーパー白鳥789系。東北新幹線と北海道をつなぐ役目に徹しました。

2つめは「カシオペア」。1999年から運行している寝台特急です。豪華寝台列車の代表ともいわれ、上野~札幌間を走行してきました。
新幹線は札幌まで達していませんが、青函トンネルを通る列車に制約が生じ、人気があるとはいえ、この列車も時刻表から消滅します。
なお、6月以降にツアーの一環として、団体列車扱いで北海道に乗り入れる計画もあるそうです。

寝台特急「カシオペア」。チケットの入手も非常に困難。

最後は「はまなす」。この列車が廃止されると定期運行する列車では以下のものがなくなります。
・JRの急行列車
・客車(機関車が引っ張るタイプの列車)
・ブルートレインに使用していた寝台車(14系/24系)

青函トンネルが開通した1988年に青森~札幌間で運転開始。カシオペアと同様で、青函トンネルの問題を抱え、さらに車両自体の老朽化などの理由で廃止となりました。
時代とはいえ、夜行列車の風情を感じることができる数少ない列車だけに、残念ではあります。

青森駅で発車を待つ「はまなす」。最後のブルートレイン。
青森駅で発車を待つ「はまなす」。最後のブルートレイン。

コラム(3):青函トンネル豆知識

新幹線と貨物列車が共存することになる青函トンネル。この両者、「線路の幅」が異なります。新幹線は世界的に標準とされている1,435mm。貨物列車はJR在来線と同じ1,067mmです。
解決策は「線路を3本敷く」こと。片側の線路は新幹線と貨物列車で共用、残り2本をそれぞれの線路の幅に合わせています。

赤茶色に錆付いている線路が新幹線用。

「電圧」も異なり、新幹線は25,000V、JRの在来線は20,000Vです。
これはどちらの電圧にも対応できる専用の機関車を製造することで解決。函館~青森間の貨物列車はEH800形と呼ばれる機関車を連結して運行します。
新幹線に乗っていて、貨物列車とすれ違うシーンが見られるのは、青函トンネルとその前後の区間だけ。

JR貨物が導入したEH800形。青函トンネルの特殊な運用に特化。

トンネルの長さは53.9km。海底トンネルでは世界一の長さです。万が一、トンネル内で火災などの緊急事態が発生した場合に備え、途中に2箇所の「定点」と呼ばれる施設があります。以前は「竜飛海底駅」、「吉岡海底駅」としてトンネル見学のみできる駅だったことも。
ここには避難所のほか、地上へ脱出する通路もあります(海底トンネルですが、定点の頭上は陸地)。
なお、元の竜飛海底駅は、地上の「青函トンネル記念館」から見学で入場することも可能です。

竜飛定点の様子。新幹線からは滅多に入れない場所ですが、使うときは「非常事態」。

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